【 作品紹介 】

「最初の絆は、生まれた時からすでに始まっていた。」
　
伊東景は誰の目から見ても模範生だ。
だが、彼は振り返るに忍びない過去を持っていた。
　
彼には小さい頃から原因不明の目の疾患があった。突然前触れもなく目の前が漆黒の闇に陥り、さらに奇怪な物が見える為、彼は多くの夢を諦めざるを得なかった。
　
久我山中学に入学するとすぐに、彼は「久我山の魔人」と呼ばれ、誰かまわず殴り合いをし、自暴自棄の毎日を送っていた。
　
その時、「二人の妹」が命懸けで彼を正常な生活に引き戻してくれた。そのおかげでようやく堕落から目が覚めた伊東景は、懸命に努力し模範生になることができた。
　
三人の間の絆は、景がまだ生まれていない母親の胎内から始まっていた。
　
あのごく短い２５週間と３日足らずの時間は、
奇跡と不思議な「守護」と「絆」の秘密を孕んでいた……。